ヒューマンインターフェース幻視者、ダグラス・エンゲルバート
今、僕等があたり前のように使っているコンピュータやマウスを最初に発案した人を知ってますか? コンピュータと言えば、専用ルームを必要とする巨大なマシンで、キーボードとテープやパンチカード、プリントアウトでしか入力や出力ができなかった時代に、マウスやテレビモニタを使ってコンピュータとコニュニケーションし、さらに遠隔地のユーザー同士がコラボレーションできるようなインターフェースを考えた人がいる。それが、ダグラス・エンゲルバート。
彼と17人の中間達は、スタンフォードインスティチュートでの研究の成果を、1968年サンフランシスコでデモ発表を行う。このときの模様はフィルムに記録され、今日見ることができる(一部は1990年代前半にNHKで放送されたこともある)。
ヘッドセットを付け、画面上の文字や図形をマウスで操作するさまは、まったく今僕等が使っているコンピュータシステムそのもの。エンゲルバートとその仲間は、35年前にすでにヒューマンインターフェースを創り上げていたのだ。
しかし、不幸なことに当時このプレゼンテーションは業界の中でも正しく理解されず、マウスも採用されることはなかった。
マウスのアイデアは、ゼロックスのパロアルト研究所に引き継がれ、伝説のパーソナルコンピュータ「アルト」、そしてゼロックスの幻のオフィス用ドキュメントプロセッサ「STAR」シリーズへとつながっていく。
一方、1970年代後半にパロアルトを見学に訪れたアップルコンピュータの若きリーダー、スティーブ・ジョブスは、「アルト」に理想のパーソナルコンピュータ像を見出し、後にMacintoshを生み出すものの、会社にとって苦渋のプロジェクトとなった「Lisa」の開発に邁進することになる。
ダグラス・エンゲルバートは、マウスの産みの親でありながら、その特許やパテント料などを徴収することもなく、その後も一研究者として過ごした。
◯参考URL
ダグラス・エンゲルバートとマウスの開発について
http://sloan.stanford.edu/mousesite/MouseSitePg1.html
1968年、サンフランシスコでの歴史的デモンストレーション映像(RealMedia)
http://sloan.stanford.edu/mousesite/1968Demo.html